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Column
— ナレッジ活用コラム —

システムが定着しない落とし穴

著者:図研プリサイト 倉本 将光

暑い夏が過ぎ、過ごしやすい秋が到来しました。読書の秋、スポーツの秋、そして食欲(揚げ物!)の秋。ビールや発泡酒にも、秋をテーマにしたラベルが勢ぞろい。・・・そんな事で秋を感じる自分はどうかと思いますが。

さて、今回は某企業の情報システム部門に所属するご担当者様、Tさんとお会いした時のエピソードを書きます。

情報システム部門と言えば、日々の業務で従業員が使用するPC、データを管理するサーバー、社内外のネットワーク機器やセキュリティ対策、業務で使用するシステムなどなど、いわゆるIT絡みの維持・管理を行っていらっしゃる部門。

企業によっては情報システム部門の活動は維持・管理に止まらず、ITトレンドの情報収集やシステムの選定、開発業務まで行うなど、企業の業務効率化、収益向上の一翼を担っている場合も多くあると思います。ナレッジ活用促進のためにシステム化が必要になる場合もご活躍されるでしょう。

話を戻して、そんな情報システム部門のTさんと会話していた時の事。

「研究開発部門から『〇〇できるようにして欲しい』と言われて要求を満たす新システムを導入したのに全然使ってくれない・・・。」

文と愚痴めいたコメントが。

いつもポジティブな方なので、珍しいなと思ってよくよく話を聞こうとしたのですが「・・・苦労してわざわざ導入したのに・・・『言い出しっぺ』が使わないってどういう・・・(ぶつぶつ)」と、よほど頭に来ていたのか延々と続く愚痴(笑)。

仕方がないので、別の話をして落ち着いていただき、頃合いを見計らって再び「せっかくの新システムを使おうとしないユーザー(研究開発部門)の言い分は何なのか」を質問。すると・・・

「普段よく使うシステムだけでも覚えることがたくさんあって苦労してるから新システムを起動するのが思いのほか面倒に感じて使用を躊躇ってしまう。」

と言う意見が多かったそうです。

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「何かやるごとに異なるシステムをわざわざ起動するのが面倒だ!」というユーザーの意見と、「何か新しいことをしたいのであれば専用システムが必要だろ!」という情報システム部門のそれぞれの意見。どちらの言い分も間違ってはいないので、そりゃ対立しますよね。

実現したい内容にもよりますが、業務上のシステムである以上「どんな部門のユーザーが使うのか?」という視点が大事なのだろうと思います。今回のように、覚えることが多い専門システムを普段使っているユーザーの場合、使うシステムが増えることに対して非常に抵抗を感じるのではないかと思います。

あらゆる業務においてITを使うことが当たり前となり、様々なシステムが増加の一途を辿る昨今「新しい事をしたければそのたびに新しいシステムを」という考え方は通用しなくなっているのかもしれません。ナレッジ活用のためにシステム導入を検討される際は「活用したいシーン」を思い浮かべながらご検討を進めると良いのでは。

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ちなみに「言いだしっぺ」という言葉は元々「臭いと言い始めた人が往々にして放屁している」ことから来ています。転じて「何事も最初に言い出した人がそれをするはめになる」と言った会話で使われるのが正しく、Tさんの「言いだしっぺ」はちょっと使用方法を間違えていますね。

それではまた。