knowledge explorer

  • TOP
  • /特設ページ
  • /せっかくの技術資産がホコリをかぶってしまう?

Column
-- ナレッジ活用コラム --

せっかくの技術資産がホコリをかぶってしまう?

著者:図研プリサイト 倉本 将光

今回は、私が営業をしてきた中で感じた、製造業での技術伝承について書いてみます。

そもそも長年にわたって、研究や製品開発を行っている企業には、当然伝承されるべき技術があるはずです。何故、技術伝承が昔も今も大きな課題であり続けているのか。その理由に迫ります。もしかしたら、あなたの会社でも技術資産にホコリがかぶってないでしょうか・・・。

「若手層の即戦力化を図りたいが、技術伝承に課題を感じている。技術資産はあるはずなのだからしっかりと活用できるように整備しなければと思っている。」訪問した企業の研究開発部長が言っていた事である。

失礼ながら私から、今までに技術資産を整備してこなかったのかと質問。部長からは「定年退職を控えた研究者の知見を場に出してもらう」という取り組みを行ったことがあるとの事。ただその成果物は、部門の書庫にあるキングファイル数冊にファイリングされているしかし残念ながらホコリをかぶってしまっていると。

実はこの手の話は頻繁に聞く。「あの人が居なくなったら誰に聞けば良いんだ」みたいな事がたびたび起きて、その都度大騒ぎ。とりあえず資料に!と言う事で長年に渡って企業を支えてきた先人の知見を、時間を掛けて纏め上げた大変ありがたい資料。

ありがたい人からありがたい資料への華麗なるトランスファー。当然、いろいろな人から活用されるだろうと思っていたら結果としてホコリをかぶってしまう。なぜこのようなことが起きてしまうのだろうか。

主な原因を考えてみました。


  1. ベテラン目線の資料で若手には難しすぎる
  2. 体系立って書かれているので、一部を読んで活用という訳にはいかない。

  3. 内容が陳腐化するにつれて誰も見なくなる
  4. 技術革新が早いので、残酷だが、纏め上げた瞬間から陳腐化がはじまり、網羅度も低くなってくる。

  5. 資料があることに気づいていない
  6. 資料が作成されている時期に在職していない人には知られていないのかも。そもそもあることに気が付かない・・・。


他にも原因があるかもしれませんが共通していることは「資料として纏めるだけではホコリを被ることになる」ということではないでしょうか。

唐突ですが、昭和生まれの方なら、ご実家に立派な百科事典集があったと思います。物心がついたときには、ウチにも荘厳に並んでいました。でも結局私は、面白そうな、挿絵付きの項目だけさささーっと読んだだけで、あとは勉強や調べものになんて使いませんでした。先ほどの話しと似ている気がします。

どんな技術が最新だと取りあげられているのか、今度帰省したら、ノスタルジーでちょっと開いてみようと思っています。でもインターネットの解説なんて載っていないでしょうね。

技術を伝承するためには、纏めた上でもう一手必要なのかも知れません。